夏休み真只中ですし、高校の夏休みの時の話を書きます。
当時問題の廃墟は通学路の脇にあり、当時バイトしていたコンビニからもそう遠くないところにありました。
普通の通りを使う分にはそこ道は通らなくてもいけるのですが、そちらを通ったほうが早く、さらに林の中に入るせいもあり、夏は特に涼しかったので、嫌な感覚は毎日感じていましたが使用していました。
2年の夏休みの実習の日の朝。
いつものようにその廃墟の前を原付で通り過ぎようとした時でした・・・。
ふと、人影が見えたので『こんなところでいったい何を・・・?』と思い、廃墟の前まで引き返してみると、いつも変わらず廃墟の敷地内に立っている古ぼけた三脚の前に座って絵を描いているような男性と、廃墟の2階の割れた窓からその男性を見つめる長い髪の女性の姿が見えました。
ただ2人とも生気は感じられず、見てはいけないものだと感じたので、すぐさままた方向転換し、今度はそちらを見ないように学校へと向かいました。
学校に到着し、たまに話す先輩がいたのでその先輩に通学途中のことを話したのですが、それが間違いでした・・。
その日の夜、バイトが終わって帰ろうと原付のキーを回そうとした時、なんだか後ろの方から聞き覚えのある声がしたので振り返ると、顔を真っ青にした先程の先輩と、その友人の姿がありました。
軽くパニックになりながらも、先輩が話そうとしていたので『わかりましたから話さないでいいです。まず落ち着いてください。』とだけ私は言い、そのまま知り合いの寺の坊さんのところに電話をし、そのままお祓いをする事にしました。
電話を終える頃には多少先輩も落ち着いていたので、改めて話を聞くと、どうやらその先輩は友人と2人で廃墟に入り、特に何もなかったので敷地内のあの三脚を友人の制止も聞かづ、蹴っ飛ばして倒してきた。そしてその直後から体が異様に重くなり、変な息遣いのような音が聞こえ続け、焦って自分に会いに来た。という事でした・・・。
その話を聞いて自分も自分だけに見えているこの世のものとは思えぬ形相をした長い髪の女性が先輩の背中にぴたりとくっついている事に納得しました。愛した人の使っていたものを壊したからそれを怒っているという事を・・・。
そのあとすぐに先ほど電話した寺で、長いお祓いと説教を受けた後、帰路につきました。
ただ、後日聞いたのですが、その日帰った後先輩は利き足を折る怪我をしたそうです・・・。
お祓いしてそれならお祓いしなければどうなってしまっていたのでしょう・・・。

スポンサーサイト